ワインのつくり方
赤ワインのつくり方
赤ワインは黒ブドウからつくられます。
収穫
熟したブドウを使います。製造業者によって機械や手摘みで収穫されます。
→選果
→除梗・破砕
房のまま徐梗機に入れて果実と果梗(茎)に分別。
→主発酵
潰したブドウを発酵槽に移し、酵母を加えて発酵させます。
果皮、被子ともにタンクに入れます。
発酵は通常2週間程度。50日程度かける場合もあります。
→圧搾
ワインを圧搾機でしぼります。
→マロラクティック発酵
行わないこともあります。シャルドネで多く行われることがあります。
※マロラティック発酵とは
果汁やワインの中に含まれている酸(リンゴ酸)が乳酸菌の働きで乳酸と炭酸ガスに分解される発酵のこと。
(マロ→リンゴ酸、ラクティック→乳酸 の意)
この発酵でワインの酸味がやわらげ、まろやかになり複雑性を増したりなります。
→樽・タンク育成
樽などに入れて動かさないように保管します。
→オリ抜き
※オリ(澱)とは
赤ワインの渋み成分のタンニン、色素成分のポリフェノール、たんぱく質などが熟成中に結合したもの。
このため、熟成した年代物の赤ワインに多く見られます。白ワインにはできません。
飲んでも害はありませんが口あたりは良くなく良い気分はしません。
ちなみに白ワインには酒石といって酒石酸と、ミネラル分であるカリウムが結合した結晶が沈殿することがあります。
→清澄・ろ過
行わないこともあります。
→瓶詰め→瓶熟成
白ワインのつくり方
白ワインは白ブドウでつくるのが一般的ですが、黒ブドウでも作ることができます。
収穫→選果→除梗・破砕→圧搾→主発酵→マロラクティック発酵→樽・タンク育成→オリ抜き→清澄・ろ過→瓶詰め→瓶熟成
「赤ワインのおさらい」
収穫→選果→除梗・破砕→主発酵→圧搾→マロラクティック発酵→樽・タンク育成→オリ抜き→清澄・ろ過→瓶詰め→瓶熟成
赤ワインと白ワインのつくりかたの順番は
「主発酵」と「圧搾」
が逆で他の工程は同じです。
ロゼワインのつくり方
黒ブドウを除梗・破砕、圧搾して果皮の色を果汁に移し、白ワインと同じように果汁のみを発酵させます。
収穫→選果→除梗・破砕→圧搾→主発酵→マロラクティック発酵→樽・タンク育成→オリ抜き→清澄・ろ過→瓶詰め→瓶熟成
簡単に言うと…黒ブドウで白ワインをつくるのと同じ醸造順で行う製法です。
黒ブドウを除梗・破砕後、赤ワインと同じように果皮と果実を短時間(平均4~12時間)漬け込み、果汁に色が付いたらろ過して皮を取り除く。
発酵前にセニエ⇒薄目のロゼワイン
発酵開始後にセニエ⇒濃い目のロゼワイン
※セニエとは
フランス語で「血抜き」の意
発酵した赤ワインから液体を抜き、皮の割合を多くしてワインを濃くする方法。
収穫→選果→除梗・破砕→発酵(短期間)→圧搾→主発酵→マロラクティック発酵→樽・タンク育成→清澄・濾過→瓶詰め→瓶熟成
スパークリング・ワインのつくり方
発酵が終了したスティル・ワインを瓶に詰め、糖分と酵母を加えて密閉し、瓶内でさらに発酵を起こさせてる製法です。
シャンパーニュ方式とも言われます。
スティル・ワインをつくるときの発酵を一次発酵、この瓶内での発酵を二次発酵と呼びます。瓶内でゆっくりとした発酵と、その後の瓶内での熟成で、うまみも出て、きめ細かい泡がつくられます。
フランスのシャンパーニュ、スペインのカヴァ、イタリアのフランチャコルタ、ドイツのフラシェンゲールングなど。
瓶詰め
発酵が終了したスティル・ワインに酵母とショ糖を加え密閉。
↓
瓶内二次発酵・瓶内熟成
再び発酵が起き炭酸ガスが発生します。
二次発酵後はボトルを水平にし、暗く涼しい熟成庫で保管されます。
↓
動瓶
酵母はオリとなって沈殿します。このオリを取り除くため穴の開いた板にボトルを差し、水平から最終的に倒立させるようにします。この時、毎日ボトルを1/8か1/4ずつ回転させオリを瓶口に集めます。(ルミアージュ)
↓
オリ抜き
瓶口をマイナス27度の溶液で凍らせて栓抜きするとガス圧によってオリが飛び出します。
↓
リキュールを添加
糖分を加えた液体を添加して甘味を調整します。
↓
打栓
コルクを打ち込み金属製のキャップとワイヤーで固定します。
発酵後のスティル・ワインの大型タンク内で密閉し、酵母と糖分を加えて二次発酵とオリ抜きを行う方法です。ブドウのアロマを感じやすく、発泡性ワインの製造に適した方法です。短期間、低コストでの生産が可能で、ガス圧は瓶内二次発酵方式よりも少し低くなります。
イタリアのアスティ・スプマンテなどが有名。
いったん瓶内二次発酵させた二酸化炭素含有のワインを、加圧下のタンクに開け、冷却、ろ過してから新しいボトルに詰め替える方式。
ルミアージュ(動瓶)とデゴルジュマン(オリ抜き)を簡略化したもの。
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